赤川次郎 『上役のいない月曜日』 感想
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赤川さんの本を読むのは久しぶりだなあ。確か高校の時に読んでたのが最後だったはずなんで、かれこれ5年以上ぶりって計算。本格推理小説っていうジャンルにドップリ浸かっちゃったんで、推理小説一辺倒ではない彼の作品からは遠ざかってたというわけです。でも印象に残っている作品はやっぱりあって、覚えてるのが『一日だけの殺し屋』っていう短編と『やさしい季節』という彼にしては長めの前後編に分かれた青春小説。こちらも今後再読するかもしれません。
----上役のいない月曜日 あらすじ----
その日M文具株式会社では非常に珍しい事態が起きていた。各部署の管理職が全員休みを取っていたのだ。上司不在の安穏とした空気の中寛いで過ごそうとする社員達だが、『M文具を告発する会の会長』なる女性からの電話を皮切りに様々なトラブルが発生する。次から次に発生する難題に社員達が巻き込まれる表題作。
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面白いけど印象薄い。次から次にトラブルが起こるのが見所なんでしょうが、人数多くて誰が誰やら混乱しちゃいました。日常的に起こりそうな話なので地味なのは仕方ないかな。
----花束のない送別会 感想----
K商事のサラリーマンである葉山は役職なしの30歳。信じられないほど優雅で快適な出張から帰ってくると、同僚達の様子がおかしい。それもそのはず、本人には全く覚えもないのに、自ら辞表を提出して辞職した事になっていたのだ。おまけに刑事と名乗る人物まで現れ、自宅にも帰れない状態になってしまう。果たして彼の身に何が起こったのか?
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うん面白い。このさっくりと読めるけど味は意外と深いっていうのが赤川短編の見所のような気がします。最終的にもハッピーで終わらない主人公に『花束のない送別会』というタイトルが一層哀しく感じられます。
----禁酒の日 感想----
出世に関心のないサラリーマン関口は、ある日何のきっかけがあったわけでもないが禁酒を決意する。その翌日、社長から呼び出された関口は、最近辞職した部長の跡継ぎを誰にするかを決めて欲しい、という重大な相談を受ける。その上家では妻の浮気まで発覚し...
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最後の一ページを書きたいために禁酒の日にしたんでしょうが、別に禁酒があろうがなかろうが大して影響ないような気がする。結局一週間悩みぬいた俺は何だったんだ?っていう主人公の心理が日常的でいいですね。
----徒歩十五分 感想----
団地に引っ越してきた岡田は妻と二人暮し。引越しの翌日から仕事に出かけた岡田は、駅からの帰りで道に迷ってしまう。途方に暮れていると、「母親が病気なの」と言う女の子が一人で立っていた。人のいい岡田は女の子を家まで送るが...
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日常的風景なんだけれど、深夜という事で非日常に化けたように感じるのは不思議な事です。昼間に歩いていたら何てことはない団地でも深夜となるとどこかおどろおどろしく感じたり、どこからか現れた人に突然刺されるのではないか、などという突飛なイメージを形にしたような話。好きです。
----見えない手の殺人----
自動車の製造工場で働く佐伯は、ある日工場の案内中に見学者の一人に大怪我を負わせてしまう。事故は見学者の不注意であり佐伯が罪を問われる事はなく、会社から見舞金を支払って世間的には解決を見た。その事故をきっかけに佐伯は被害者の娘、直子と交際を始めるのだが、ふとしたきっかけでその事実が父親にばれてしまい...
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最後にして最も哀しい話。誰が悪いわけでもなく、不注意により手を失ってしまった父親のために三人もの人間がこの世を去ってしまう。うーーん後味は悪いですが面白かった。
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